看護師は時短勤務ができない!公務員看護師の時短勤務事情

公務員 看護師

公務員看護師が時短勤務で働いているというと、どう思いますか?

「時間で帰れそうだね。」とよく言われます。

そんなことないです。

公務員も病棟によってはブラック企業と同じです。時短なんて取れません

正確に言うと、時短勤務として働くことはできますが、時短の時間では終わらず、サービス残業になることが多いというお話しです。

看護師の時短勤務

公務員看護師といっても、保健所や公立病院、公立の保育園等があると思います。
私は公立病院の一般病棟で働いていました。

部分休業という子育て時短制度を使って働いていました。
通常の勤務時間は8:30から17:30までの休憩を1時間挟む8時間×週5日の勤務です。
部分休業は申請すれば120分(2時間)まで、早く帰れる勤務です。
ただし、勤務状況によって忙しければ取ることができないというシステムです。
また、土日は適応がなく8時間勤務です。病院の方針で、時短勤務者の残業代は出ない方針でした。

私の自治体では、
一日8:30~15:30までの6時間勤務×週4日と、
一日8:30~17:30まで8時間勤務×週3日の時短勤務がありました。
両方の場合も残業代は出ません。土日はスタッフの人数が少ないので時短での働き方はだめでした。

また大体の病棟では15:30で帰るのは業務量的に無理な病棟が多かったので、周りの時短勤務の看護師はサービス残業で働いている様な状況でした。時短勤務と言いつつ、時短が取れない状況です。

一時期働いていましたが、サービス残業で結構長く病棟にいるはずなのに、残業代は出ないので給料がとても安くて、割に合わないと感じました。保育園代だけでお給料が飛んで行ってしまったので、やむなく部分休業に変更しました。

部分休業の私の働き方

情報収集の時間も業務に含まれることになり、8:30に病棟に入れば9:00から業務スタートでした。休憩を含めると5時間ですべての業務を終わらせないといけない状況です。

業務を申し送ってもいいのですが、他の看護師たちの重症度はそこまで重そうではないのに、仕事が全く進んでいなく、昼の時点で残業が確定しているような看護師も多かったです。その人達に申し送ることが申し訳なくて、あまり申し送ることは無いように努力していました。

業務を早く終わらせるために、1時間早く来て当日つなぐ点滴の準備や、昼の内服薬の準備、午前中に呼ばれる予定の検査の準備はもちろんのこと、まだ出てもいない、手術患者の帰室の準備でベッドを作ったり、モニター類や機械の準備をしたり、まだ入院していない患者のカルテの準備や翌日の手術や検査の準備をしたりしていました。

そうすると、仕事はスムーズに進み、15:30に帰ることができるようになってきました

するとどうでしょう、病棟のメンバーは私が、仕事ができると勘違いしたのか、より重症度の高い患者を受け持ちが振り分けられるようになってきました。
下手したら、チームの他の看護師の受け持ちより重症度や業務量が多いような振り分けになってきました。
15:30までの勤務なのに、午後の入院の患者や、手術の帰室が15時頃の患者の受け持ち、午後に検査がある患者が受け持ちで「考慮してもらえていないな」、と思う日々が続きました。

朝はギリギリにきて、なんの準備もしていない看護師達より私の受け持ち患者の重症度が重かったこともいっぱいありました。
そのような看護師達に限って、手が空いていないので、ナースコールの対応は全くせず、たまたま手の空いていた私に任されてしまうことには腹が立ちました。

土日の勤務

そんな中、人が足りないということで、土日の勤務も増えてきました。
17:30までの勤務で、残業代が出ないということで、頑張って業務を終わらせようとしました。

でもどうでしょう、平日はチームに20人ぐらいの患者を看護師4人で一人当たり4~5人受け持ちのところが、土日は看護師3人で、一人当たり6~7人受け持たなければなりません。もちろん看護師長やフリー業務ができる看護師もいません。

残業ができない看護師がいるからと言って、その時短看護師の受け持ちを減らす余裕なんてありません。当然他の看護師の受け持ちと同じような振り分けになります。
病棟は外科病棟だったので、重症度も高く、平日休日問わず周りは毎回1~2時間残業しているのが常でした。
そんなような中、私がどんなに朝早く行ったところで残業なしで帰られる訳はありませんでした。サービス残業をしている状況でした。

パパが土日のどちらか勤務の場合もあり、パパの仕事じゃない日は私が土日の勤務だったことも度々ありました。
家族3人で過ごす土日は月に2日ほどしかなく、土日の連休は月に1回あっても、家族3人で過ごせる連休はありませんでした。

そんな休日勤務が数カ月続き、平日も含めると累計10時間以上ものサービス残業になり、不満が募っていきました。

目に見えない残業

最初の頃は休憩にも1時間入ることができていましたが、日に日に受け持ちの患者の重症度が重くなっていき忙しくなっていきました。

入院患者が昼近くに入院してきたりすると、他患者の対応も含めると午後に2時間しか時間がない場合もありました。
入院患者の対応を丸投げすることができず、休憩に10分も入ることができないで、入院患者の対応をしていることが連日続きました。

誰もが、私が時間で帰られる訳がないと思っていたし、自分たちの業務で精いっぱいで手伝えなかったのだと思います。

ある平日の朝に、病棟で一番重症度が高いと認識されている患者さんが私の受け持ちになり、他の患者も同じぐらいの人数で受け持ちになっていたときには、この病棟は色々な意味で、「おしまい」だなと思いました。

とれた部分休業は月8~20時間でした。ふつうに毎日2時間取れていれば、月40時間は取れるはずの部分休業が、半分以下です。平均すると毎日1時間以下しか取れていないような状況です。

毎日朝から夜まで休まず働いて、帰ってからも母親業で、仕事と育児の両立に疲れ切っていました。

しかも休憩も取れず、朝も1時間早く来ていて、一日2時間分は無給で働いているような状況で給料が削られているのです。むしろ毎日1時間分残業代を付けてもらってもおかしくないような状況なのに、タイムカードが刻んでいる時間だけでカウントされて、給料が減っているのです。

なんかあほくさくないですか?
私の気持ちは一気に冷めていきました。



「しっかり休憩は取るべき」、「朝早く行く必要はない」、「しっかり申し送って帰ればよかった」、「無理してきっちり働く必要がなかった」とか、改善策はあったかと思います。

でも、私は子供と過ごす時間をしっかり確保がしたい、どうせ同じ時間病院にいるなら無駄な時間は過ごしたくないと思い、早く帰って一緒に過ごすため、休憩を削っていました。

朝は通勤も、病棟の中も混んでいないときに仕事を始めてしまえばスムーズに進むし、集中力が高く、業務が早く進むから、と思っていました。

働き方改革とか、子育て中の看護師の働き安さとか言いますが、公務員看護師のように、前例踏襲の古き良き病院は、まだ、古い看護師の考えが残っており、「これぐらいはやって帰ってよ」とか「ここまではやってかなきゃね」みたいな暗黙のルールが存在します。それを無視する度胸は私にはなかったし、周りに訴える体力も残っていませんでした。

そして、私は看護師の仕事が好きで、患者さんと関わる時間を減らすような手抜きはしたくなかったのです。

結果、自分の体力や精神力が削られてしまいました。

多分、私が良い看護をしたいと思わなければ、業務として、割り切って働くことができたのでしょう。
私は、患者さんと寄り添っていける看護師でありたかったのです。
私が公務員看護師を辞めた理由にも書きましたが、合わないと感じました。

多分公務員看護師だけではなく、一般の病院で働く子育て中の看護師さん達も同じような状況で悩んでいると思います。

私は、私のやりたい看護をするために退職しました
子育て中だからと言って、私の理想とする看護をあきらめたくなかったのです。

今は訪問看護師として働き始めました。働き始めたばかりで未知数ですが、一人ひとりの患者さんと関われる時間は着実に増えていると感じます。

今、子育てと看護師という働き方で悩んでいる看護師さんがいるのであれば、少し休んでみて、自分が思っていた働き方ができているのか考えてみてはいかがでしょうか?

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