皆さん看護師と思い浮かべると、どのような印象がありますか?
「大変だけど、給料いいんでしょ?」とよく言われていました。
実際、額面だけ見ると、給料がいいかもしれません。
私は大学病院の消化器外科看護師として4年働き、結婚を機に地方の公立病院に転職しました。
都内の看護大学を卒業し、看護師免許・保健師免許を取得しています。
大学病院に4年勤務して気づいた、目に見えないお金の損得がありました。
給料の平均
- 4大卒 一般企業 女性の平均給料
新卒の全年齢の平均年収325万前後といわれています。(国税庁調べ)
ボーナス4カ月分とすると平均月20万ぐらいでしょうか。
- 4大卒 看護師の平均給料
夜勤や残業等の各種手当を合わせた給与総額は、平均月27万ぐらい。
新卒看護師の平均年収はボーナス4カ月分とすると年収410~430万前後ですね。
新卒で比べても看護師というだけで給料が高いです。
全看護師の平均年収
大学病院で働く看護師の年収 420~560万円
総合病院 400~530万円
個人病院・クリニック 340~440万円
やっぱり大学病院の看護師って給料いいんですね。
私が大学病院の新人の頃は平均より、もうちょっともらってました。
(残業めちゃめちゃしてたので)
4年目の退職時は年収550万ぐらいだったと思います。
それでも割に合わない
でも思ったより低くないですか?
確かに若い女性にしてはもらっているかもしれません
しかし、
- 人様の命を預かっているというプレッシャー
- 激しく忙しい(下手したらトイレも業務中1回、昼ご飯なしとかザラ)
- サービス残業がびっくりするぐらい多い(前残業1時間、休みの日にカンファレンスに出勤、夜勤明けの残業代はない等)
- 最先端技術が満載過ぎて追いつくのに必死
を考えると、多くの看護師は割に合わないと感じているのも現状です。
大学病院で4年働いてみて、お金だけではない損得に気づきました。
目に見えないお得
良質な勉強会が無料
院内の勉強会は無料です。
そこそこ大きい規模の病院であれば、どこでもありますが、大学病院であると質が違います。
どこぞの研修センターや出版社で、一日1~2万ぐらいお金を取る勉強会が、(サービス残業になる場合が多いが)行き放題で無料。
看護の学会で発表するような専門看護師や認定看護師がいっぱいいるので、最先端の知識を無料で提供してもらえます。
また製薬会社が新薬の説明に来てくれることもあり、その際は新鮮な医療を自分のものにできるというワクワク感がありました
しかも、有名高級和食のお弁当付きだったりします。
病棟内の勉強会であったとしても、それぞれの看護師のレベルが高いので内容が深いです。
日々の業務で相当量のスキルアップができる
大学病院は医師の専門性が高く最先端医療をやっていることが多いので、日々の業務でより良い医療技術を学べます。
また病棟も単科(脳だけとか心臓だけとか)が多いので1つの領域を極めることができます。
各病棟の看護師もそれに見合った看護をするために勉強しているので、より深い看護知識を得ることができるので相当お得をしています。
外部でやっている看護師の勉強会に行くと、全部知っている内容で、つまらなかったことが多々ありませいた。
いいとこに安く住める
大体の病院は、借上げマンションや寮がついているので、一等地に格安で住めます。
大体大学病院はアクセスのいい場所にあることや、病院の近くに構えているので通勤も楽です。
私が住んでいたところは、オートロックの築浅なワンルームでしたが、普通に借りると10万以上するところが、4万円で借りれました。
一時期、ボロボロで風呂トイレ共用のエアコンなしの寮に住んでいたこともありました。
かなり辛かったですが、家賃が1万以下で、主要駅から徒歩圏内で深夜にも歩いて帰れるのはありがたかったです。
いいところに安く食事に行ける
単科であると医局(医者)との交流が密接であり、飲み会等に誘われることも多いです。
うちの病棟は1カ月に1回ぐらい(それ以上かも?)ありました。
その際大体、医師が多めに払ってくれるので、高級なレストランを格安でごちそうになることができました。
それも結構な頻度で、自分ではいけないようなおしゃれな所に連れて行ってもらえて、楽しかったです。
忘年会も医局企画が多いので、高級ホテルの宴会場で美味しい料理のビュッフェとかだったりします。
ほぼ無料でした。
高級品の差し入れがある
都内の大学病院だと、お金持ちの患者さんが入院されていることも多く、退院の際、患者さんからいろいろ、高級品の差し入れをいただけることが多かったです。
ご挨拶でのデパ地下のお菓子はもちろん、ブランドのハンカチを、看護師一人ひとりに配ったり。
気前のいい患者さんは、一人1万円分の商品券をどさっと置いて帰ったりしていました。
医師からも、バレンタインのお返しやクリスマス勤務や年末年始勤務にデパートのお品物の差し入れがあったりしました。
新人の頃はびっくりでした。
医者と結婚できる確率が上がる
大学病院は初期研修病院であることが多く、大学卒業後の女性経験の少ない、医者になったばかりの、若い男性が他の総合病院より多いです。
そんな医者さんに見初められれば、玉の輿確定です。
いわずもがな、メリットしかありませんね。
私の病棟ではいませんでしたが、他の病棟では出会って結婚した看護師が何人もいました 。
部署移動や勤務場所の移動がほとんどない
基本的に大学病院は、本人の希望がないと部署(病棟)配転はありません。
コロナ渦や病院がつぶれそうとかがなれれば・・・
もちろん連携病院があっても、病院間の移動は希望がないと絶対にないです。
公務員時代は管轄内の病院移動が結構あって、通勤時間が長くなっている病棟の先輩が結構いて大変そうでした。
私も転職や公務員になった際に初めて気づきましたが、部署移動があると、 モノの配置や職場の人間関係を一から覚えたり、病棟の暗黙のルールみたいなものを覚えるのに体力を使うことになるので、ないことはありがたいです。
思っているよりずっと大変でした。
気力の消耗が減るのでいいと思います。
目に見えない損
食費がかかる
どこの病院もそうかもしれませんが、私が経験してきた病院の中で大学病院時代が一番忙しかったです。
そうなると・・・疲れて、ほぼ買い食いか外食です。
もちろん休日も作ったりする体力もないので、できあいで済ませてしまうことが多いです。
立地もいい場合が多く、おいしいレストランが近くにいっぱいあるので、値段が高いのに、つい日ごろの自分へのご褒美でいってしまうことが多いです。
移動にお金を使ってしまう
激しく時間がないので、時間をお金で買ってしまいます。
周りの看護師さんも、医者も平然とタクシーを使うので、今まで使ったことがなくてもなんとも思わないで使ってしまうようになります。
移動は時間がかからないもの(飛行機、新幹線特急)、お金のかかる移動手段に平気で乗ってしまいます。
金遣いが荒くなる
忙しさやストレスの反動で趣味や美容にお金をいっぱい使ってしまう看護師が多いです。
ダイビングをやってみたり、全身サイボーグ並みにエステや脱毛に行ったり。
たまの長期連休は、休みをギリギリまで海外旅行を満喫する人がいっぱいいました。
私もボーナスが入るたびに家事の家電を買ったりしていました。
今思うと・・・もったいなかった
身に着けるものの値段が上がっていく
先に述べた通り医師とのつながりが深く、飲み会や宴会に行くのに、質のいいものを身に着けて行かなければならないと思うようになり、バッグや洋服を奮発して買ってしまいました。
忘年会など、パーティーのようにやる場合が多いので、最低限のマナーとしてドレス等を買わなければいけない場合がありました。
忙しすぎて友達が減る
普通のOLのような友達とは休日や金銭感覚が合わず、あながち職場の友達や平日休みの友達としか遊ぶ時間が無くなってしまう場合が多いです。
また、遊べる時間も限られているので
友達はお金には代えられないものだと思うので、気を付けましょう。
目に見えないもの。わかっていただけました?
人によっては損得は分かれるかと思いますが、私としては給料以上の得があり、コスパは悪くないです。
正直言うと、当時の私は、もうちょっとお給料が欲しかったです。
看護師も結局サラリーマン
大学病院でもやはり儲けている病院の方が、給料が高いです。
安定を求める看護師さんは公務員看護師を目指す方がいるかと思いますが、決して最初からお給料が高いわけではありません。
高収入!?大学病院看護師から公務員看護師になって気づいた給料の違い
他の大学病院に勤めていた友人は4年目で700万はもらっていたと言っていました。
職場選びの際は、しっかり募集要項を見ましょう。
それだけには書いていないお金事情があるので、いろいろな看護師に会って話を聞きましょう。
裏事情を知っている転職サイトで情報収集をするのもいいと思います。
給与平均で言えば、今、流行りの訪問看護師が高いです。
ただ結局は、つらい、責任の重い仕事であるから給料が高いのであって、つらい仕事であれば給料が高いのはどこの業界も変わらないことです。
転職を考えた際に自分が何を基準にして病院を選ぶかしっかり検討してみてもいいのではないでしょうか。
まとめ
- 大学病院の年収は高い。
- 給料以上のメリットもある。
- 勉強がしたい、スキルアップしたい人にはお勧め。
- 時間が欲しい人にはお勧めできない。
- 大学病院でも給料の差があるのでしっかり選ぶ。
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