大学病院看護師は忙しい!?働き方や特徴の考察

大学病院 看護師

大学病院で働いていると聞いて、どんな看護師を思い浮かべますか?

よく救急救命24時とかで見る、バタバタ医師やら看護師やらが走っててきぱき指示を飛ばしているのを想像しますか?それとも、ドラマで見る、ちょっと頼りない看護師がニコニコ患者さんとお話しているのを想像しますか?

大学病院で働いてみて、そうといえばそうですが、違うといえば違います。

私は大学病院の消化器外科看護師として4年働き、結婚を機に地方の公立病院に転職しました。
都内の看護大学を卒業し、看護師免許・保健師免許を取得しています。

大学病院だからっていうのはありません。
配属された病棟次第です。
救命のようにテキパキしなければならない病棟もあれば、ニコニコお話している時間がある病棟もあります。

大学病院は総合病院ですが、それぞれの科が独立して動いています。たまには協力もしますが、基本的にそれぞれの科でなんとかします。超最先端の専門町医者の集合した場所とでも思ってもらえればいいと思います。

大学病院看護師とはどのような看護師なのか、働いてみた経験でお話しします。
後半には私の歩んできた4年間の感想もあります。

専門性が高い

一つの科の専門性が高く、最先端医療を提供しているので、看護師の知識が高くないといけませんし、新しいことをやるのには手順が多く、忙しいのは確かです。

外科病棟なので、日々の業務の移り変わりが激しいです。私が新人の頃は、勉強熱心な先輩が多く、勉強や看護のためならいくらでも時間を割いてくれていました。

大学病院は救命救急センターやICU(集中治療室)、手術後の患者さんの状態が落ち着くまで待機できるPACUという場所がある病院もあります。

人工呼吸器を使うような人は、救急病棟やICUであることが多かったので病棟に人工呼吸器が来ることは数回しかありませんでした。

手術直後の患者さんもPACUという、術後回復室と呼ばれる所で、落ち着くまで見ていてくれるので、病棟に戻って来てからは、1時間ごとぐらいに状態を確認すればいいようになります。

患者さんの急変時も院内PHSで担当の部署に連絡すれば救命のチームが1分以内には到着し指示をくれるので、わからなくてもなんとかなりました。

なので、自分の専門分野以外のことは、わからなくても何とかなってしまうので、少し危険だなと感じました。

看護師が若い

基本的に看護教育卒業直後の若者達が最初の就職先として選ぶところなので、20代前半の若者達ばかりでした。

一般常識を身に着けていない学生上がりの若者達ばかりだったので、言葉遣いとか身だしなみだとか注意されることが多かったです。

忙しくてみんな数年で辞めていくことや、子育てしながら続けられるほど仕事自体が楽ではないので、基本的に独身ばかりでした。

結婚したら転職だったり、子供が生まれたら退職する人が多かったです。

結構病院がケチ

私立の大学病院だと、やはり儲けを度外視できない部分があるため、看護師の人数もギリギリでやっていて、物品等も使えるものは使う。

という感じなので、設備が古かったり、便利な物品を買ってもらえなかったりします。そのせいで業務がちょっと大変になることもあります。

車いすが古かったり、洗髪台が古かったり、新しく使いやすい物でもなかなか取り入れてもらえない感じでした。
点滴用のトレーを買ったり、キッチンタイマーを買ったりするのに、看護師長の説得が必要でした。

必要なところには最先端の機械とかいっぱいあるはずなのに不公平だと思っていました。

医師の入れ替わりが結構ある

また医師も頻繁に入れ替わります。お偉い先生はほとんど変わりませんが、ちょっと若い先生だと他の病院に出張があったり、研修医の入れ替えがあります。

3カ月~1年ごとに何となく医師が変わるので、カルテの指示が変だったりして、ミスが起きないように気にしないといけないので大変でした。

医師によって性格の違いや患者さんの方向性の考え方が違うので、治療方針や、退院の方向性を話し合うのが大変だったりしました。

病院ブランド、医者ブランドが存在する

大学病院ならではの医者お抱えの患者が多数存在していました。

「〇〇病院だからずっと信頼して通っていたの!〇〇先生じゃないとだめ!〇〇先生最後まで見てもらいたい!」

という感じ。私のいた病棟の話ですが、通常外科病棟というのは手術をしたら、元気になって退院というのが多いのです。

しかし、近年はがん患者が多くなっており、手術で元気になって退院しても再発して、状態が悪化してお亡くなりになるかたも増えてきました。
そんな患者さんがお抱え医師のもとにやってくることも多く、元気になって退院していく人もいれば、入院中そのまま亡くなる方もいる。そんな病棟でした。

手術の患者とお看取りの患者と化学療法の患者が混在・・・となるとどういう状況になるかわかりますよね。

大変でした。

一般の療養病院とはやはり違いがあると思います。

学生が結構来る

大学付属病院となると、自分の大学の看護学生や医学生が来ます。
忙しい中、特に学生担当の看護師が一人浮いているわけでもなく、教員も下手な所まで口出しできないため、その日の受け持ち患者の看護師が学生に指導しないといけなかったので大変でした。

また、一流の看護をしているという変なプライドから適当に教えられないので、しっかり勉強が必要でした。

私の大学病院勤務の4年間

消化器外科、乳腺外科病棟に配属されていました。一般病棟と呼ばれるところでワンフロア40床ぐらいです。

手術前の患者さんもいれば、亡くなる患者さんもいました。日中や夜間関係なく緊急入院でそのまま手術の患者さんもいました。

1年目

死に物狂いで病気の勉強をしながら業務をする。 朝7時に病院に入り9時過ぎまでいることも。

プリセプター(新人指導係)から莫大な知識を詰め込まれ、「看護師ってこんなに何でも知ってないといけないんだ」と愕然としたのを覚えています。

病棟と家の往復で精いっぱい。家に帰ってからも勉強しないとついていけない。休みの日は大体寝て過ごすか勉強をして過ごしていました。

帰ってそのままベッドに倒れこみ、次の日目覚めて焦る!ってことが何度も。

たまに実家に帰って、翌日本当に職場に行きたくない。何度もやめようと思ったがお金がないのでやめられなかった。

どの病院も3年はやらないと使い物にならないと、いろいろな人から言われて、頑張ろうと決意を固めた。

2年目

何となく形になってきているが、まだわからないことだらけ。

徐々に患者の重症度も増して、死にそうな患者がプライマリーになることも。心も体も疲労感がすごいが、頑張る。

業務に加え、より深い看護アセスメント能力を求められていたので、日々先輩達に鍛えられていった気がします。

少しだけ余裕が出てきて休みの日は遊べるようになってきました。看護師としての体力もついて来たのか、夜勤明けのまま夕方まで遊べたことも。

先輩に4年目から楽になったといわれて4年を目指すことにしました。

3年目 中堅

人によっては新人指導。自分もまだわからないことがある中、患者の受け持ちも重く、1年目よりつらい場合も・・・

先輩たちが辞めて行って、自分たちが、病棟看護師の主役になった感覚が出てきた。

変な指示を出す医者に、直接文句を言えるぐらい強くなりました。

ただ業務としては何となく回せるので、プライベートは思いっきり夜遊びできるようになりました。
深夜2時ぐらいまで遊んで、翌日日勤・・・なんてこともできるように。

4年目 中堅~ベテラン

人によっては新人指導 自己の切磋琢磨。

つらさはちょっと落ち着き、無敵感
病棟のことも疾患のこともほとんど理解できて、急変の対応もできるように。

プライベートとの兼ね合いもしっかりとれるようになってきた。

が、空が明るい時間に病棟を出れたのは年に5回もない。

示し合わせたわけではないけれど、同期と共に、一斉退職。

私はこんな感じで大学病院時代を過ごしました。

大学病院を辞めて公務員病院に転職しましたが、当時感じていた無敵感が間違いだったと思い知らされましたが、また別のお話で紹介します。

大学病院看護師 まとめ

  • 専門分野については深く学べる。
  • 何となく流れに乗っていればそれなりに使える看護師になる。
  • 最先端医療なだけに、激しく忙しい。
  • 部署が違うと全くわからないまま終わってしまうこともある。
  • 急変対応は自分が積極的に学びに行かないとわからないまま。

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